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前編は以下のとおり
スキー・スノーボード社員旅行
東京から新潟方面へ1時間半ほど新幹線に乗り、駅にはあらかじめ予約してある送迎バスが待っているのでホテルまで楽ちん。
スキーやウェアなどの荷物はあらかじめホテルへ送ってあるので、小さなバッグだけでほぼ手ぶら状態。
東京駅から新幹線に乗り込みシートを回転させて4人席を作ると、私、A森さん、S川さん、それにヨウで座り、正面には赤のセーターに、ベージュのコーデュロイをはいたS川さんが座った。
このヨウは20代前半でS川さんよりも若く、映画のスターウォーズに出てくるヨーダに似ていることからこんなあだ名になってしまったが、本人は大層気に入っているみたいだ。
小柄でメガネを掛け、最初はデレデレした話し方とお調子者が気に入らなかったが、今ではそれが逆に面白いと思うようになり、仕事面でも可愛がっている。
ホテルに到着して、スキーを出したりウェアに着替えたり準備をしていると、午前中は1時間程度しか滑ることができなくなってしまった。
昼食のカツカレーを早々に食べ終わると、男性陣はゴンドラで頂上まで行くことにしたが、A森さんやS川さんなどの女性陣は、ここからの行動はまったく分からない。
頂上付近のコースで滑っていると時々日差しがあり、降ってもぱらつく程度だったはずが、徐々に悪化してついにリフト乗り場が見えなくなるほど視界が悪く、吹雪になってしまった。
それでも天候に文句を言っても仕方ないと開き直るも、さらに吹雪は勢いを増し、風の冷たさで耳が痛くなり始める。もう限界だ、明日だって思う存分滑る時間はある。
初心者向けの林間コースを滑りながら下りて行くことを男性陣に伝えると、寒さで凍え痛々しい顔をしているヨウも、「僕も一緒に行きます」と一緒に下りることにした。
ホテル近くに到着してリフト乗り場前でもうひと滑りしようとするが、時計の針は3時半を指している。夜の宴会もあるし朝早かったので、このまま上がってもよいと思ったが、一応ヨウの意見も聞いてみることに…
「なぁ、どうする、まだ滑る?どっちでもいいよ」
「そうですね…3時半か…滑ってもあと30分ですよね。それにこの天気ですし」
「そうだなー、せいぜいあと30分だし、さらにひどくなってきたしな。上がって部屋でゆっくりするか」
「はい、そうしましょう」ヨウはこれ以上滑る気はない。早々に今日のところは上がって部屋でゆっくりすることにした。
ヨウと二人で畳の部屋でゴロゴロしながらくつろいでいると、ふとネットで調べた大浴場のことを思い出す。
「そういえばヨウ、ネットで調べたんだけど、ここの大浴場かなりいいみたいだぞ。書き込みの評判もよかったしね」
「いいですねー、早いけど今なら空いてそうなので入っちゃいましょうか?戻ってビールでも飲めばいいじゃないですか」
「そうだな、風呂混むとゆっくりできないからな。よし行くとするか」浴衣に着替え部屋に用意されたタオルを持って、ヨウと二人で大浴場へ入りに行くことにした。
部屋を出て下りエレベーターを待つ。するとなにやら後ろからA森さんの声が聞こえ近づいてくる。
「あら、あなた達早いじゃないの。もう上がったの」ヨウと同時に振り返ると、A森さん、S川さん、それにM月さんの3人がバスタオルを持った浴衣姿が目に映った。
「そうなんですよ、だってすごいですよ吹雪いちゃって。ゴンドラで上まで行ってきたけど、あれじゃもう滑る気にならなくて、ヨウと二人で戻ってきたんですよ。メールしても返事ないし電話も出ないので、ほかはまだ滑っていると思いますよ」
「なに、まだやってんのあの人達。こんなに吹雪いちゃってるのに。まったく元気よね」S川さんとM月さんは頷きながらクスクス笑っている。
このM月さんは、N美さんと同じ総務のS川さんより少し年下なので、23か4歳くらいのはず。
小柄でぱっちりとした真ん丸な目は、小学生が観るテレビアニメに登場してきそうな顔立ちだ。ふんわりとボリューム感のある肩までの髪もよく似合っていると思う。
性格も明るく、いつも冗談ばかり言って笑わしてくれる。あの笑顔で話されると自然と会話が弾みムードメーカーのような一面もあるが、意外と天然ボケなところもあり、これはこれでM月さんらしくて面白い。
エレベーターが到着するとドアが開き5人は乗り込んだ。
階数を示す数字が5から4に変わるとポーンと音と共にドアが開き、6人ほどの宿泊客が乗ってきたので奥へ詰める。間近に見えるS川さんの胸元はお色気ムンムンだ。
2階の大浴場に到着後、男女それぞれ別れ、男2人は殿方と書かれている紺色の暖簾を潜ると、時間的に空いていると思ったが甘かった。
着替えを入れる空カゴを探すだけで一苦労の、ドン引きする大混雑ではないか。きっと私達と同じように悪天候で早めに切り上げた人達で、一気に集中してしまったのだろう。
このまま部屋に引き返し、時間をずらしてもう一度入りに来ようとしたが、そうすると宴会の時間を気にしなくてはならないのでゆっくりとお風呂を楽しめない。
仕方なく大混雑の風呂に入ることにした。(次回へ続く)
(投稿者 カベルネ・大助)
スキー・スノーボード社員旅行
東京から新潟方面へ1時間半ほど新幹線に乗り、駅にはあらかじめ予約してある送迎バスが待っているのでホテルまで楽ちん。
スキーやウェアなどの荷物はあらかじめホテルへ送ってあるので、小さなバッグだけでほぼ手ぶら状態。
東京駅から新幹線に乗り込みシートを回転させて4人席を作ると、私、A森さん、S川さん、それにヨウで座り、正面には赤のセーターに、ベージュのコーデュロイをはいたS川さんが座った。
このヨウは20代前半でS川さんよりも若く、映画のスターウォーズに出てくるヨーダに似ていることからこんなあだ名になってしまったが、本人は大層気に入っているみたいだ。
小柄でメガネを掛け、最初はデレデレした話し方とお調子者が気に入らなかったが、今ではそれが逆に面白いと思うようになり、仕事面でも可愛がっている。
ホテルに到着して、スキーを出したりウェアに着替えたり準備をしていると、午前中は1時間程度しか滑ることができなくなってしまった。
昼食のカツカレーを早々に食べ終わると、男性陣はゴンドラで頂上まで行くことにしたが、A森さんやS川さんなどの女性陣は、ここからの行動はまったく分からない。
頂上付近のコースで滑っていると時々日差しがあり、降ってもぱらつく程度だったはずが、徐々に悪化してついにリフト乗り場が見えなくなるほど視界が悪く、吹雪になってしまった。
それでも天候に文句を言っても仕方ないと開き直るも、さらに吹雪は勢いを増し、風の冷たさで耳が痛くなり始める。もう限界だ、明日だって思う存分滑る時間はある。
初心者向けの林間コースを滑りながら下りて行くことを男性陣に伝えると、寒さで凍え痛々しい顔をしているヨウも、「僕も一緒に行きます」と一緒に下りることにした。
ホテル近くに到着してリフト乗り場前でもうひと滑りしようとするが、時計の針は3時半を指している。夜の宴会もあるし朝早かったので、このまま上がってもよいと思ったが、一応ヨウの意見も聞いてみることに…
「なぁ、どうする、まだ滑る?どっちでもいいよ」
「そうですね…3時半か…滑ってもあと30分ですよね。それにこの天気ですし」
「そうだなー、せいぜいあと30分だし、さらにひどくなってきたしな。上がって部屋でゆっくりするか」
「はい、そうしましょう」ヨウはこれ以上滑る気はない。早々に今日のところは上がって部屋でゆっくりすることにした。
ヨウと二人で畳の部屋でゴロゴロしながらくつろいでいると、ふとネットで調べた大浴場のことを思い出す。
「そういえばヨウ、ネットで調べたんだけど、ここの大浴場かなりいいみたいだぞ。書き込みの評判もよかったしね」
「いいですねー、早いけど今なら空いてそうなので入っちゃいましょうか?戻ってビールでも飲めばいいじゃないですか」
「そうだな、風呂混むとゆっくりできないからな。よし行くとするか」浴衣に着替え部屋に用意されたタオルを持って、ヨウと二人で大浴場へ入りに行くことにした。
部屋を出て下りエレベーターを待つ。するとなにやら後ろからA森さんの声が聞こえ近づいてくる。
「あら、あなた達早いじゃないの。もう上がったの」ヨウと同時に振り返ると、A森さん、S川さん、それにM月さんの3人がバスタオルを持った浴衣姿が目に映った。
「そうなんですよ、だってすごいですよ吹雪いちゃって。ゴンドラで上まで行ってきたけど、あれじゃもう滑る気にならなくて、ヨウと二人で戻ってきたんですよ。メールしても返事ないし電話も出ないので、ほかはまだ滑っていると思いますよ」
「なに、まだやってんのあの人達。こんなに吹雪いちゃってるのに。まったく元気よね」S川さんとM月さんは頷きながらクスクス笑っている。
このM月さんは、N美さんと同じ総務のS川さんより少し年下なので、23か4歳くらいのはず。
小柄でぱっちりとした真ん丸な目は、小学生が観るテレビアニメに登場してきそうな顔立ちだ。ふんわりとボリューム感のある肩までの髪もよく似合っていると思う。
性格も明るく、いつも冗談ばかり言って笑わしてくれる。あの笑顔で話されると自然と会話が弾みムードメーカーのような一面もあるが、意外と天然ボケなところもあり、これはこれでM月さんらしくて面白い。
エレベーターが到着するとドアが開き5人は乗り込んだ。
階数を示す数字が5から4に変わるとポーンと音と共にドアが開き、6人ほどの宿泊客が乗ってきたので奥へ詰める。間近に見えるS川さんの胸元はお色気ムンムンだ。
2階の大浴場に到着後、男女それぞれ別れ、男2人は殿方と書かれている紺色の暖簾を潜ると、時間的に空いていると思ったが甘かった。
着替えを入れる空カゴを探すだけで一苦労の、ドン引きする大混雑ではないか。きっと私達と同じように悪天候で早めに切り上げた人達で、一気に集中してしまったのだろう。
このまま部屋に引き返し、時間をずらしてもう一度入りに来ようとしたが、そうすると宴会の時間を気にしなくてはならないのでゆっくりとお風呂を楽しめない。
仕方なく大混雑の風呂に入ることにした。(次回へ続く)
(投稿者 カベルネ・大助)