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今は違う仕事やってるんだけど、昔整体をやってた事がある。
リラクゼーション何ちゃらとかはまだあんまり無かった頃。
整体師ってのは結構ニッチな部分に嵌まった職業でやるのに特に資格が要らないのね。
何故かというと資格が必要な按摩さんとかっていうのは結構門戸が狭いんだよね。資格を取れる学校が少ない訳。
何故かって言うと基本按摩さんっていうのは眼が悪い人がなる職業だったから、あんまり門戸を開いて誰でも出来るって事にしちゃうと目の悪い人の就職機会を奪っちゃう事になっちゃうから。
整体師ってのはその隙間をついた職業で、これはマッサージではないですよ按摩ではないですよ民間療法の整体ですよ。って言ってやってるやつな訳だ。
だから開業するのは楽と言えば楽。
ある意味ピアノの先生やお花やお茶のお稽古とかと一緒。
その代り制限も厳しい。宣伝もあんまり出来ないし、マッサージしますとか言ったら駄目だったりする。
きっかけは俺がスポーツやってて整体師の人に会った事が原因なんだけどその頃俺も独立心旺盛で、もしかしたら儲かるかもと思って始めてみた訳だ。
始めるに当たって色々考えて住宅街の結構裕福な人の多く住んでる土地の近くに店を作った。
そういう所に住むおじいちゃんおばあちゃんをターゲットにしようと考えた。
あんまりお手本になるようなお店なんて無かったから店は自分で考えて作ったんだけど、どちらかと言うとややお洒落な感じの雰囲気を心がけた。
今のそういう所よりはよっぽど格好悪かったとは思うけど、いわゆる「整・体・院!」って感じじゃなくてソファとテレビなんかを置いてマンションの一室みたいな雰囲気。
最初の数ヶ月こそもう死んじゃおうかなあ・・・と思う位しか人が来なかったけど、マンションやら色々な家にまあ自分でも胡散臭いと思う文句を並べたビラまいたりしてたら客は来るようになった。
狙い通り爺さん婆さんが。
マッサージ自体は整体師の人に数ヶ月弟子入りって言うか給料ほぼ無しでただ働きして教えて貰ってたから、それでやってたんだけどまあ爺さん婆さんなんかはマッサージより話中心みたいなもんで、俺もそこは心得てたから半年もするとそれなりに喰っていける位に客が着くようになった。
お爺ちゃんお婆ちゃんにあんまり力入れると後痛くなるからほんと施術中はさすってる様なもんだったけどね。
でも「ここに来るようになってずいぶん楽になった」とか言われて評判は悪くなかったと思う。客は8割爺さん婆さん、2割サラリーマンって感じ。
サラリーマンにはそれなりに真面目にやったよ。
で、そのうちにあるお婆ちゃん紹介っていうかお嫁さんがどうも肩が酷く凝るから見てやって欲しいって言われたのよ。
俺としては客が増えるのは大歓迎だから是非来てくださいって事で来て貰った。
仮にA子さんとするけど、A子さんが来た瞬間おっと思った。
年齢は30歳と言っていたけどもっと若く見える。俺がその時32だったんだけど5歳は年下って感じ。
しかも結構可愛い。鼻筋が通ってて甘い顔立ち。
因みに40以下の女性のお客はその時が初めてか2人目位だった。
そんだけ爺さん婆さんに特化してた訳だ。
「はじめまして。院長の○○です。(つっても俺一人だけど)」って言うと
「宜しくお願いします」って言って頭を下げてくる。
しかもなんかいい匂いする。俺も男だからちょっと張り切った。
「最初だから30分にしましょうか。」と言ってから、まずは椅子に座ってもらって背中から肩の辺りを触ると確かに凝ってる。
「まずは施術衣には着替えなくて良いです。今日は肩を中心にやりましょうね。」
と言うとはい。と頷く。
因みに施術衣ってのはあのマッサージの時に着替える奴ね。水色の短パンと上着みたいな奴。
女性の場合は背中がマジックテープで開くようになってた。
その時うちでは上半身だけの時は治療台じゃなくてソファみたいなものに座ってもらってテレビか本でも読んでてもらって、
そこに対して俺が立って後ろから肩を揉むというスタイルにしていて、(出来るだけ家に近い感じでがコンセプト)A子さんにもそうしてもらった。
ゆっくりと背中から肩にかけて凝りを解していったんだけどやっぱり触るときは結構緊張した。
いい匂いしてるし、髪は上に纏めて真っ白なうなじが見えてて仕事とはいえ役得だなあと思って。
しかもA子さんは柔らかめのシャツとスカート姿だったんだけど上から見たら細身のスタイルの割におっぱいもでかい。
触ってて俺が得だと思える客なんてそうはいないから俺も頑張った。
最初はホントガチガチだったけど15分位してると大分ほぐれてきて、話も弾んで結構楽しかった。
「凄い、気持ち良いですね。」
「この背中の部分をしっかりと解すと肩が楽になるんですよ。この肩甲骨の下の部分、判ります?」
「あ、そこです。」
「整体とかは結構いらっしゃるんですか?」
「いえ、全然。今日が初めてなんです。」
と。A子さんは26で結婚して3歳の子持ちと云う事もそこで判明。
子供は御婆ちゃんに預けてここに来たとの事。
あまりに楽しくて微妙に時間をオーバーした位だった。
A子さんもそこそこ満足してもらったようで
「何回かいらっしゃって徐々に体質の改善していきましょう」とか言うと
「はい是非。」とか言って来る。
そんな感じでA子さんは週に一回来てくれる上客になった。(次回へ続く)
リラクゼーション何ちゃらとかはまだあんまり無かった頃。
整体師ってのは結構ニッチな部分に嵌まった職業でやるのに特に資格が要らないのね。
何故かというと資格が必要な按摩さんとかっていうのは結構門戸が狭いんだよね。資格を取れる学校が少ない訳。
何故かって言うと基本按摩さんっていうのは眼が悪い人がなる職業だったから、あんまり門戸を開いて誰でも出来るって事にしちゃうと目の悪い人の就職機会を奪っちゃう事になっちゃうから。
整体師ってのはその隙間をついた職業で、これはマッサージではないですよ按摩ではないですよ民間療法の整体ですよ。って言ってやってるやつな訳だ。
だから開業するのは楽と言えば楽。
ある意味ピアノの先生やお花やお茶のお稽古とかと一緒。
その代り制限も厳しい。宣伝もあんまり出来ないし、マッサージしますとか言ったら駄目だったりする。
きっかけは俺がスポーツやってて整体師の人に会った事が原因なんだけどその頃俺も独立心旺盛で、もしかしたら儲かるかもと思って始めてみた訳だ。
始めるに当たって色々考えて住宅街の結構裕福な人の多く住んでる土地の近くに店を作った。
そういう所に住むおじいちゃんおばあちゃんをターゲットにしようと考えた。
あんまりお手本になるようなお店なんて無かったから店は自分で考えて作ったんだけど、どちらかと言うとややお洒落な感じの雰囲気を心がけた。
今のそういう所よりはよっぽど格好悪かったとは思うけど、いわゆる「整・体・院!」って感じじゃなくてソファとテレビなんかを置いてマンションの一室みたいな雰囲気。
最初の数ヶ月こそもう死んじゃおうかなあ・・・と思う位しか人が来なかったけど、マンションやら色々な家にまあ自分でも胡散臭いと思う文句を並べたビラまいたりしてたら客は来るようになった。
狙い通り爺さん婆さんが。
マッサージ自体は整体師の人に数ヶ月弟子入りって言うか給料ほぼ無しでただ働きして教えて貰ってたから、それでやってたんだけどまあ爺さん婆さんなんかはマッサージより話中心みたいなもんで、俺もそこは心得てたから半年もするとそれなりに喰っていける位に客が着くようになった。
お爺ちゃんお婆ちゃんにあんまり力入れると後痛くなるからほんと施術中はさすってる様なもんだったけどね。
でも「ここに来るようになってずいぶん楽になった」とか言われて評判は悪くなかったと思う。客は8割爺さん婆さん、2割サラリーマンって感じ。
サラリーマンにはそれなりに真面目にやったよ。
で、そのうちにあるお婆ちゃん紹介っていうかお嫁さんがどうも肩が酷く凝るから見てやって欲しいって言われたのよ。
俺としては客が増えるのは大歓迎だから是非来てくださいって事で来て貰った。
仮にA子さんとするけど、A子さんが来た瞬間おっと思った。
年齢は30歳と言っていたけどもっと若く見える。俺がその時32だったんだけど5歳は年下って感じ。
しかも結構可愛い。鼻筋が通ってて甘い顔立ち。
因みに40以下の女性のお客はその時が初めてか2人目位だった。
そんだけ爺さん婆さんに特化してた訳だ。
「はじめまして。院長の○○です。(つっても俺一人だけど)」って言うと
「宜しくお願いします」って言って頭を下げてくる。
しかもなんかいい匂いする。俺も男だからちょっと張り切った。
「最初だから30分にしましょうか。」と言ってから、まずは椅子に座ってもらって背中から肩の辺りを触ると確かに凝ってる。
「まずは施術衣には着替えなくて良いです。今日は肩を中心にやりましょうね。」
と言うとはい。と頷く。
因みに施術衣ってのはあのマッサージの時に着替える奴ね。水色の短パンと上着みたいな奴。
女性の場合は背中がマジックテープで開くようになってた。
その時うちでは上半身だけの時は治療台じゃなくてソファみたいなものに座ってもらってテレビか本でも読んでてもらって、
そこに対して俺が立って後ろから肩を揉むというスタイルにしていて、(出来るだけ家に近い感じでがコンセプト)A子さんにもそうしてもらった。
ゆっくりと背中から肩にかけて凝りを解していったんだけどやっぱり触るときは結構緊張した。
いい匂いしてるし、髪は上に纏めて真っ白なうなじが見えてて仕事とはいえ役得だなあと思って。
しかもA子さんは柔らかめのシャツとスカート姿だったんだけど上から見たら細身のスタイルの割におっぱいもでかい。
触ってて俺が得だと思える客なんてそうはいないから俺も頑張った。
最初はホントガチガチだったけど15分位してると大分ほぐれてきて、話も弾んで結構楽しかった。
「凄い、気持ち良いですね。」
「この背中の部分をしっかりと解すと肩が楽になるんですよ。この肩甲骨の下の部分、判ります?」
「あ、そこです。」
「整体とかは結構いらっしゃるんですか?」
「いえ、全然。今日が初めてなんです。」
と。A子さんは26で結婚して3歳の子持ちと云う事もそこで判明。
子供は御婆ちゃんに預けてここに来たとの事。
あまりに楽しくて微妙に時間をオーバーした位だった。
A子さんもそこそこ満足してもらったようで
「何回かいらっしゃって徐々に体質の改善していきましょう」とか言うと
「はい是非。」とか言って来る。
そんな感じでA子さんは週に一回来てくれる上客になった。(次回へ続く)